インドにいます。

2014年9月より周りに畑しかないインドの大学で(いちよう住所はデリー)伝統医学アーユルヴェーダを学んでいます。インド政府(ICCR)奨学生。 BAMS (Bachelor of Ayurveda Medicine and Surgery)という5年半のコースに在学中。現在最終学年。次の試験に受かれば研修医。こんにちは。

偉大なる先輩たち

今日は小川康さんの「僕は日本でたったひとりのチベット医になった」って本を読んだ。日本人、いや外国人で初めてチベット医になった方の自伝。チベット語を学びチベット人と同じ条件で医大に通い、卒業された方。

いやー。すごいなーー。泣きました。
わたしの葛藤や苦労なんて小川さんが経験したことに比べたら、ちっぽけすぎるものなで共感できるところがあるなんていうのは恥ずかしいんだけど。でも、日本人一人でインドの伝統医大に通う身として痛いほど分かる部分もあった。

卒業試験で八万字の詩を4時間に渡り暗唱されたそうで。本当にすごすぎます。
アーユルヴェーダも詩の形で古典書に書き残されたので、沢山の詩(サンスクリット語)を暗唱しなきゃいけないんだけど100個くらいの詩を覚えるのにも何度も何度も繰り返して、とてつもなく大変なのに。4時間にも渡る暗唱なんて本当にどれだけ大変だったんだろう。頭が上がらない、、

そしてこのくらいの暗記量でひーひー言っているわたしださすぎる。

でも、身体にしみ込むくらい暗唱したらきっと見えてくる世界が違うし、
また違う境地にいけるんだろうとも思う。


以前ある巫女さんが言っていたことば。

祝詞は、まず初めは「読む」
    次は「覚える」
    更に「染み込ませる」
    そして、最後は「忘れる」が肝心。

 

本当にその通りなんだろう。
自分の血肉になった時、はじめて使える知識となるんだろうな。

そしてわたしまだまだすぎる。。
まだ「覚える」レベルまでにしか達してない。

3大古典書のひとつに ashtanga hirdra という書があるんだけど、
今の時代に治療するのにはこれを完璧にすれば十分だという人もいる。

卒業までにわたしもこの最初の巻、30章(の中のもっとも大事な章半分くらい…弱気w)の暗唱に挑戦しようかなと思います。 

そしてヒンディー語も聞いて半分わかるくらいで、
話すのは片言にも程があるし英語まざってルー大柴みたいになってるしこちらもしっかりしなければ。小川さんはチベット語で学んでいたんだよなあ。本当にすごい。clinical classが始まったら、言語の問題で失うものが多すぎるので。進級試験が終わったら本腰入れようヒンディー語。

 

そして小川さん日本では「森のくすり塾」という子どもたちを集めて薬草ワークショップなどを開催しているそう。素敵すぎます。
最近、2学年目で薬草を学んでいるのですが、日本と全く違う薬草すぎて(そもそも薬事法で薬処方できないし)日本でこの知識をどうやって役立てたらいいんだろうとか、日本の薬草について勉強したいと最近考えていたので。いつかぜひお会いできたらいいなーなんて

tedにもでていらっしゃったようで。

www.tedxsaku.com

こちらのワークショップも素敵だなー。

http:// https://vimeo.com/154971688

 

 

もう一人の偉大な先輩は
同じインドでシッダ医学という南インドの伝統医学を学び、首席で卒業された先輩。
この方も初の外国人としてとてつもない苦労をされて、シッダ医師になられた。
いつもいつもたくさんのアドバイスをいただき、支えられています。この先輩がいなかったらわたしはこの大学に入ることも1年半ここで生きのびることもできなかっただろうという本当に恩人です。

先日こんなところに日本人にも出演されてました。

世界の村で発見!こんなところに日本人 インド 2015年11月20日 151120 - YouTube

 

 

なにが言いたかったかというと、
わたしが日々苦労と思っていることなんて諸先輩方と比べたら苦労なんて呼べるものではなく、こんなことでくよくよしてるわたしはださすぎるってことで。もっと頑張らなくてはなーってこと。

色々と大変なことはあるけれど、 自分の好きなことを人生で初めてしっかり学べて(しかもインド政府から奨学金までいただいて)仕事にして生きていくってとてつもなく幸せでありがたいことだよなー。

わたしの今の仕事は学生。学んで生きる。
色々と雑音はあるけど、惑わされずに。自分の限界までやりきろう。

とりあえず迫りくる進級試験ピンチすぎるので、当面の目標は進級で。

ではまたー。
写真は今日の製薬実習。

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