ことばが、でてこない。
ここではみんな人の話を全然聞かない。
そして、自分のことだけひたすらに話しまくる。
「ことばのキャッチボール」ってなんだっけ。
豪速球がただただ飛び交っているだけだ。
日本では人に聞かれない限り自分の話はあまりしないようにしてた。
人の話をちゃんと聞くようにしてた。
それが礼儀だと思ってた。
でも、会話って人の話をしっかり聞くことが始まりだと思ってた私は
自分の話ばかりするのはよくないと思ってた私は
まちがってたみたい。
ここでは自分の話をしても必ずすぐにさえぎられて
彼らの(どうでもいいしかも何度も同じ)話が始まる。
話そうと浮かび上がってきた言葉たちは
もぐらたたきのように打たれてどこかに消えていった。
2年間。
何度も何度も自分の中に押し戻していたら
ある日
ことばが、でてこなくなった。
悔しい思いや悲しい思いはあっても
それが言葉にできなくなった。
わたしは今何を感じているんだろう。